鋼構造ジャーナル記事詳細

2008年9月8日号 NO.1369

・08年上半期鋼材需要と市況/鋼材価格は目まぐるしく変化
・7月の鉄骨需要量は約62万トン/国交省建築着工統計
・ピープル/中日本高速道路・吉川良一・事業本部長
・山田大彦先生を悼む/東北大で追悼セミナー・偲ぶ会
・7月の建築確認件数/ようやく「回復基調」レベルへ
・鈴木鉄興(千葉)/ISO取得でさらに品質重視
・新部長/メタルワン建材・建築建材部部長・田辺壮志氏
・新社長/冨永鋼建(宮崎県)・冨永豊和氏
・甲信越版
・北陸版
・CIW協議会/東京都知事認定研修会を開催

地元業界へ公開、60名が見学

3大学共同で接合部の性能実験

鋼構造への関心高めることに

 岡山理科大学、大阪工業大学、京都大学の3大学共同による鋼構造柱梁接合部の塑性変形能力に関する性能比較実験(実大試験)が8月27日、岡山理科大学の構造実験棟で行われた。
(写真左=梁端ノンスカラップ , 写真右=梁端スカラップあり)

 今回行った実験の目的は、4種類の接合部を有する実大試験体を対象に保有水平耐力を同一とする条件で設計し、繰返し載荷試験を行って保有性能、特に変形能力を比較しようとしたもの。
(写真左=実験の説明を熱心に聞く参加者 , 写真右=アルミ溶射した添板)

鋼材市況は目まぐるしく変化

08年上半期の鋼材需要と市況

ファブ業界も緊迫した局面続く

 年明け以降、難航する鉄鋼原料をめぐる価格交渉を背景に、鉄鋼メーカー各社が相次いで値上げを発表。異例とも言える値上げ幅や3カ月~7カ月連続という値上げラッシュが続き、鉄骨ファブリケーターや流通特約店など業界関係者が『未体験ゾーン』と指摘するほど先の読めない展開が続いている。とくに流通分野では、メーカーの「垂直値上げ」に伴う先高観から仮需も発生、鋼材市況も数日から1週間単位で目まぐるしく変化した。ファブも不透明な鋼材需要と市況動向のもとで見積もりが難航し、材料調達に苦慮するなど緊迫した状況にある。今後を展望する意味でも08年上半期を総括する。(図=「全鉄連流通動態調査」を基に作成)

推定鉄骨需要量は約62万トン

国交省 7月着工統計

着工面積、前年比約17%増

 国土交通省がまとめた7月の建築着工統計によると、全着工面積は1449万1000平方mと前年同月比16.6%増(前月比0.5%増)。前年比2桁の増加は、昨年7月の着工面積が改正建基法施行直前に起きた駆け込み需要の反動で大幅減となったため。
 構造別(※表1)では、S造が前年同月比26.9%増(前月比8.7%増)の598万4000平方m、SRC造は同20.7%増(同14.0%減)の39万3000平方m。この結果、推定される鉄骨需要量は、約62万トンの水準(前年同月は約49万トン)。

7月の建築確認申請・確認件数

国交省

ようやく「回復基調」レベルへ

 国土交通省は着工統計と関連して7月の建築確認件数などを発表したが、それによると確認申請件数は5万7344件(前年同月比57.0%増)、このうち鉄骨造のウエートが高いとされる1~3号建築物は1万6654件(同120.7%増)、また構造計算適合性判定申請件数は2310件。これに対し、建築確認件数は5万6668件(前年同月比55.0%増)、1~3号建築物は1万6685件(同68.1%増)。構造計算適合性判定の合格件数が2286件となっている。

ISO取得でさらに品質重視

鈴木鉄興(千葉)

1億円かけて工場の環境整備

 千葉県のHグレードファブ、鈴木鉄興(匝瑳市、鈴木正一郎社長)はこのほど、ISO9001の認証を取得した。今年1月に品質方針を策定して品質重視を打ち出し、その一環としてISOの取得に取り組んできたもの。また3年前から工場の環境整備に取り組み、約1億円かけて事務所新築や工場内改修、ヤードの整備などを実施してきた。鈴木社長は「今ごろISOという感じもあるが、品質の重要性は高まっており、ファブの差別化という意味もあって取得した。取得しただけでなく、会社を挙げて信頼される品質を目指していく」と話している。
(写真左=ISO9001を取得 , 写真右=明るくすっきりした工場内部)

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