鋼構造ジャーナル記事詳細

2010年1月11日号 NO.1439

●鋼橋10年度の展望/需要量は20万トンまで減少か
●11月の鉄骨需要は約33万トン/国交省建築着工統計
●新春特集/私にとって大切な〝一品〟を語る
●10年課題と方針を聞く/寺前 實、橋本 伸一郎、木下 洋、高松 伸伍、津山 巌、越田 和憲、松村 康人、逸見 俊一、髙木 建、入江 宏定、犬伏 昭、原田 章二、箕村 理、天雲 博樹、河原 純、林 喜裕
●《寅年》年男登場2

流れは新設橋梁から保全へ

縮小する長大橋プロジェクト

世界トップの技術はどこへ

 鋼橋の新設が縮小している。3本の本四架橋を建設した世界トップレベルの橋梁技術の行き場がなくなっている。
 もはや長大橋プロジェクトを推進する財源も考えもなくなった公共事業では既設橋を守る保全事業さえ危ぶまれている。技術を生かすには海外展開しかないのかも知れない。
(写真=久しぶりの大型工事となった東京湾臨海大橋)

鋼製橋梁業界の展望

新年度は20万トンまで減少か

新設橋梁先細りで競争激化と再編

 橋梁事業は、公共事業の削減によって事業量の減少が続いている。とりわけ新設橋梁は先細りが鮮明になっており、新年度は20万トン程度まで落ち込むと予測されている。しかし、保全・補修事業は橋梁の老朽化が進んでいることなどから工事量が増加するとみられ、橋梁各社は受注対応を進めている。橋梁業界ではこの小さくなるパイに対し、激しい受注競争を展開している。また、合併や提携、グループ化を進めており、業界再編が加速されそうだ。

09年度の鉄塔需要は約5万トン

来年度は22%減の約4万トン見込み

改造鉄塔やエンジ部門へシフト

 09年度の鉄塔需要量は、電力に目立つプロジェクトがなく、5万1000トン(前年度実績比16.4%減)となる見込みだ。上半期は電力2万トン、電力以外1万3000トンの計3万3000トンで推移し、前年度同期を若干上回るペースの展開をみせたものの、下半期が伸び悩み、最終的に約5万トンになるものと予想される。

推定鉄骨需要量は約33万トン

着工面積、減少幅が縮小傾向

 国土交通省がまとめた11月の建築着工統計調査報告によると、全着工床面積は前年同月比19.4%減(前月比1.1%減)の960万6000平方メートルとなった。13カ月連続の前年比減だが、前年を3割超下回っていた7~9月に比べ減少幅は縮小傾向にある。この結果推定される鉄骨需要量は約33万トンの水準。

11月の建築確認申請・確認件数

国土交通省 1年ぶりに増加傾向示す

 国土交通省が発表した11月の確認申請件数は4万4609件(前年同月比7.0%減)で、このうち鉄骨造のウエートが高いとされる1~3号建築物は1万2426件(同3.3%増)、また構造計算適合性判定申請件数は1158件。これに対し、確認件数は4万3890件(前年同月比5.5%増)、1~3号建築物は1万2311件(同0.8%減)、また構造計算適合性判定合格件数は1183件となっている。

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