鉄構技術記事詳細

2013年8月号 VOL.26 NO.303

・[特集]新工法・省力化工法の魅力
・[Photo Topics]Student Summer Seminar 2013 集積と変化
・[Interaction&Collaboration]文京総合体育館
・[gallery] 文京総合体育館
・[論文]ハイブリッドタブの溶接性確証試験結果報告
・[耐震設計と施工]京橋イーストビル
・[Strutect]大氏 正嗣さん

・特集:新工法・省力化工法の魅力

 中・低層ビル、工場、大型商業施設の新築着工が増える中、鉄骨需要は年間500万㌧の大台が期待されている。東日本大震災以降、「安全・安心」な建物への要求は高まり、「減災」という新たな視点も生まれている。本号では、鉄骨造建築の耐震性能を維持し施工を簡略化してコストダウンを実現する「新工法・省力化工法」を特集。「安全・安心」+「省力化」+「コストダウン」をテーマに、計6社が最新の「新工法・省力化工法」を分かりやすく紹介する。

・ハイブリッドタブの溶接性確証試験結果

 鉄骨骨組の耐力に大きな影響を与える溶接接合部。阪神・淡路大震災では、柱-梁接合部の梁端部がスカラップ、鋼製タブの影響で溶接部やその近傍で破断が相次いだ。現在は固形タブ(代替タブ)が多く使用されているが、横向き溶接では制限が多い。丸岡義臣氏は、工場における柱通しの梁端ブラケットや柱のフランジ現場溶接の課題を解決するために実施した「ハイブリッドタブの溶接性確証試験」の結果を論文にまとめた。

・文京総合体育館、京橋イーストビルの構造設計

 単層ラチスシェル屋根を採用した文京総合体育館。構造最適化法を実際の構造設計に利用し、同時に新しい構造デザインを実現するため道具として用いた意欲的な建築を紹介する。一方、京橋イーストビルは今年5月に竣工した高さ約53mの鉄骨造オフィスビル。低層階に制振装置を集中配置し、地震時エネルギーの効果的な吸収を実現する「ソフトファーストストーリー制振構造」を採用。中高層オフィスビルに付加価値を与える構造形式として注目されている。

●特集:新工法・省力化工法の魅力

・パイロンバリアー
―――アクシス
・親子フィラー
―――構造工学研究所
・セーフガードタワー<SGタワー>
―――日鐵住金建材
・ハイリングⅡ工法
―――日立機材
・エコスフレーム
―――松村構造計画/エコスフレーム
・WAWO構法による鉄骨製作省力化・コストダウン
―――アークリエイト

●Photo Topics

・Student Summer Seminar 2013 集積と変化

●Interaction&Collaboration

・文京総合体育館
―構造最適化法を用いた単層ラチスシェル屋根―
―――柳沼 大樹/森田 明/大森 博司/平林 竜次/蓑和 健太郎

●gallery

・文京総合体育館

●論文

・ハイブリッドタブの溶接性確証試験結果報告
―――丸岡 義臣

●耐震設計と施工

・京橋イーストビル
―ソフトファーストストーリー制振構造を採用した中規模事務所ビルの構造設計―
―――桑 素彦

●Topics

・福島洋上風力コンソーシアム 2MWの浮体式洋上風力発電設備
・構造計画研究所 「構造計画研究所 技術発表会2013」開催
・木村高陽構造設計・ユニオンシステム 「実務者が行う耐震診断セミナー」開催
・構造システム 建築構造計算ソフトの30周年キャンペーン
・日本インシュレーション 「すりーぶたすけ」耐火2時間認定取得へ
・日本建築構造技術者協会 「第24回(2013年度)通常総会」開催/ASDOが「2013年定期総会」を開催
・JSCA 第24回「JSCA賞」
・日立機材 「ハイリングⅡ工法」
・日立機材 「スーパーハイベース工法」
・JFEシビル 「自走式立体駐車場」

●BIM

・Autodesk Revit User Group Japan 「Revit User Group Conference 2013」
・グラフィソフトジャパン 「Solibri Model Checker v8.0 日本語版」
・ソフトウェアセンター「SIRCAD Ver5」リリース

●Project

・「全国の建設プロジェクト」の見方
・全国の建設プロジェクト(早分かり&一覧表)
―ビル/商業施設/工場/学校ほか―
・全国の建設プロジェクト(パース編)
・全国の建設プロジェクト(月別分析:13年4月)
・「大宮桜木町一丁目計画(仮称)」プロジェクト
・「(仮称)新C注|ビル建替計画」本格化
・「渋谷駅地区再開発」都市計画決定
・鉄骨需要を牽引する「イオンモール」
・「中低層ビル」の建て替えが活発に

●Aspiration

・全構協・関東運営委員会 鉄骨価格は「緩やかに回復」へ

●Strutec Data

・2013年4月の都道府県別建築着工面積/2013年5月の建築着工面積

●Regular

・英国の最も輝いた時期 産業革命期の構造技術遺産を現地に垣間見る
―第11回 ロンドン市内の建築物・構造物―
―――井出 豊/金田 勝徳
・体験的な「溶接と強さ」の話
―その52 接着と粘着―求めるは、くっつく強さか離せることか:木組みと弱粘着―
―――豊田 政男
・建設関連産業の未来のための技術評論
―第37回 日本国のロボット戦略と建設業―
―――藤盛 紀明
・ひとりDEBATE Part.2
―連載⑳ 最終回―構造デザインの実践に向けて 「五次元の構造設計」のススメ―
―――渡辺 邦夫
・構造道場
―第11回 「ひまわり」の巻―
―――高橋 治
・リレーエッセイ 建築と私 202 「東日本大震災から学んだこと」
―――片山 尚之
・随筆138 ぜ:絶滅危惧種
―――深見 準一

・Strutect 大氏 正嗣さん
鉄構技術
―富山大学芸術文化学部教授―

●表紙
文京総合体育館
鉄構技術
 多くの文京区民が運動習慣を身につけるよう、スポーツ空間と交流の場を設けたスポーツ地域交流・健康増進の拠点を担っている「文京総合体育館」。アリーナとプールを重層しプールを地下に配置することで、建物ボリュームをコンパクトにし、圧迫感・日影による周辺への影響を軽減。アリーナの屋根が特徴的で、構造最適化法を用いた単層ラチスシェル屋根となっている。ドームは40.0m×30.0m、ライズ3.8mの形状となっており、架構形式は単層シェル架構と境界トラス梁で構成し、バスケットボールやバレーボールが可能なアリーナとなっている。アリーナやプールのほかに、柔道場、剣道場、弓道場、トレーニングルームも完備。建設地は東京都文京区本郷7丁目1番2号。延床面積は6,844.61㎡、地下2階、地上3階、最高高さ17.54m。主構造はRC造で、弓道場、アリーナ屋根架構に鉄骨造を採用。設計・監理は松田平田設計、施工は五洋・岩井・上之原建設JV、鉄構エンジニアリングは新日鉄住金エンジニアリングが担当した。鉄骨製作工場は矢嶋。工期は2011年7月から2013年3月。

▽サービスについてのお問い合わせ・お申し込みは、お電話またはフォームよりお願い致します▽

株式会社
鋼構造出版
ホームページからのお問い合わせはこちら